★ 理想のコイビト ★
「悠生くんってば、いきなり変わっちゃってさ、もう、なんなの!って感じなのっ!!」



「あー…」



「確かに、アレは変わりすぎだよね。」



「でしょ、でしょ!あたし以外の誰にモテたいのか知んないけど、突然あんな格好しちゃてさ!この前だってあたし待ってる間、校門のとこで何人にも声かけられてたんだよ!!しかも悠生くんも満更でもなさそうだったし…もう、ムカつくっ!!」



≪ガッ!!≫



「「“ヒィッ!”」」



相当荒れているのだろう。突然、ロッカー…もちろん俺ら入りを蹴り飛ばした繭。



怖ぇ…。繭、マジ怖ぇ…。



恭一も、まず間違いなくそう思ってるだろう。



あまりに突然のことに声が出そうになってしまったが、寸前のとこで飲み込み、パッと顔を見合わせた俺達は、口許をヒクつかせながら、ただでさえ狭いロッカーの奥に逃げようにくっついた。

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