シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――玲、結婚しろ。
どうして…どうしてこんなことに!!!?
「――…玲。
お前ばかり…
被害者面するなッッッ!!!」
久涅が僕の頬に拳を入れた時、芹霞が駆け付けてきたんだ。
芹霞が久涅を怒鳴りつける。
ほんの少しの優越感。
僕を庇ってくれる芹霞が、嬉しくて。
櫂ではなく、僕を選んでくれたそんな幸せな錯覚に酔い痴れる。
それを見て更に久涅は怒って、姿を消した。
しかしそんな気分は、直ぐ様打ち砕かれて。
僕の居ない間に、久涅との時間を持とうとしていた芹霞。
僕は――
溜まらなく嫉妬した。
どうしても…櫂を思い出させる久涅。
僕ではなく、櫂と出かけようとする芹霞に…僕の心は軋んだ音をたてて。
すんなりと、芹霞の心の中に忍び込んでくるその存在に…
僕は無性に苛立った。
芹霞。
どうして、僕を見てくれないの?
悪夢に魘(うな)される程、櫂の記憶を排除して…どうしてまた、久涅という…櫂の"影"を求めるの?
僕は何?
君にとって何?
好きだ。
好きなんだ。
僕だけを見て貰いたいのに。
――玲、結婚しろ。
僕には…時間がなかった。