シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
「…代わり?」



「そう。永遠を誓えるだけの、

運命の相手――…」



どきん。


あたしの心が動揺した。



「"消えた"相手の代わりなんて御免だ。

戦って…勝てたのならまだしも…」



久遠は…何を言っているのか。


「オレだって…男だ。


矜持が…許さない」



そして、僅かに身体を震わせ…



「消えてなくなるものなど…


オレはいらない」



その顔をゆっくりと…



「だからといって…


認めたわけではない」



横の茂みに向けた。



そしてあたしは気づく。


いつの間にか人影。



敵!!!?


――じゃない。



黒。

何処までも漆黒。


腰まである長い黒髪と、長いスカートを、冷たい風に靡かせて、颯爽と現われたのは――。



「探し出したか、

――凜…」



憂いの含んだ切れ長の目。

整いすぎたその顔。


久涅によく似た顔の…

凛とした眼差しを持つ長身の美女。


メイド服の女が――

驚いた顔で立っていた。



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