シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「玲…」


後ろに、煌が立っていた。

風に…橙色の髪が揺れる。



「俺と芹霞には、櫂でも手出しできない…絆がある。


お前は…何か"強み"があるのか?」



煌の嘲笑。



「「お前など――

芹霞が選ぶ筈ないだろう?」」



笑う。

笑う。


何処までも僕を馬鹿にした笑いが響く。



――レイ…。


煩い!!


――カワイイレイ…。


黙れ!!!



僕の目からは涙が零れていた。


悔しい。

悔しい!!!



僕だって、僕だって…芹霞に愛されたいんだ。


僕だけの絆を持ちたいんだ。


ワカッテルノ、キズナガナイコト。


僕の傍に居てよ。

可愛い顔で僕の名前を呼んでよ。


櫂を…選ばないでよ!!!


モウオソイ。


ぽたぽたぽた…。


ココニツレテキタノハ…


流れ落ちる涙が、真紅色に変わる。


オマエダ。



そして胸に激痛。


胸からも染み出ている真紅色。


吐き気がして蹲れば…

口から出たのは…真紅色。



< 1,035 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop