シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
――レイ…。
僕には…道がないのか?
進むことは許されないのか?
「「「「罪人は救われない」」」」
4人が声を揃えて。
――レイ…マモッテアゲル…。
ただ1人…
忌まわしき母だけが…。
――オカアサマノトコロニオイデ…。
僕を庇護しようとする。
「選択をやろう、紫堂玲」
久遠が蹲ったままの、僕の顎を上げさせた。
いつか"約束の地(カナン)"で見た、黒い衣装に身を纏い、大きな死神の鎌を持って。
これは…"断罪の執行人"。
「オレに断罪されるか――
気狂いの母親の元に帰るか」
――レイ…。
「さあ…選べ」
『――…う?』
「お前の恋は――
終わったんだ」
『――…う?』
終わってない。
まだ僕は…!!!
真紅に塗れる身体は、罪の証。
そこまでして芹霞を手に入れようとしても…
蘇る真実の記憶に…芹霞は即座に僕から去ったのなら。
『櫂を愛してる!!!』
聞こえる芹霞の声に、耐えきれない僕の身体から真紅色が吹き出した。
罪。
罪。
僕は罪に穢れて、罪そのものになっていく。
僕は何?
僕の存在は…一体何?
――レイ…。
ざわざわとざわめきだす、僕の気狂いの血。
「さあ、選べ。
――…紫堂玲」
だから――
『――しょう?』
だから僕は――
『師匠!!!?』
反転。