シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「…確認しに行ったの。
月が…生き返ったかどうか、地下の魔方陣の場所に…」
そして。
「ぐらぐらして塔が出来ていて。
その近くだったから…魔方陣がある所の"天井"が壊れてたの。
上から中を覗いたら、月がいて…」
「術の解除ではなく、単純な物理的衝撃で天井が抜けるとは…あの地面も脆(もろ)くなっていたか。
それで、生き返っていた…のか?」
久遠は瑠璃色の瞳をすうと細めた。
こくんと旭くんは頷いた。
「笑ってた。
笑いながら旭に手を振ってたの。
月の所に行こうと降りたら…」
旭くんの顔が、曇る。
憎悪に。
「月の首を手で引っこ抜いたの!!
屋敷に来てた…
"くずみ"っていう奴が!!!」
久涅!!?
顔を見合わせたということは、
誰もがそれを思ったのだろう。
「そして――
"モホウはよせ"と言って…
月の首を高く高くお空に放ったの。
高く高く…
消えて無くなってしまうみたいに」
「それを追いかけて来たんだ?」
あたしは旭くんの頭を撫でると、旭くんは片手であたしの首に手を回した。
凜ちゃんから旭くんを預かると、あたしはそのまま旭くんを抱っこした。
ぎくっと腰が鈍い音をたてたけど、気にしない。
「せりかちゃん…。
久遠さまとりんりんが…
くずみに見えたの。
だからね、殺そうとしたの…」
また嗚咽を繰り返す。
「久遠さまをお守りしないといけないのに…
久遠さまを殺そうとしたの。
ありがとう…
旭を止めてくれて…」
そして――
「月は…生き返ってなかったんだね…月は…」
うわあああんと大泣きをしてしまった。
「生き返ってたら、月ちゃん可哀相じゃない。
だから良かったの。
月ちゃんそのままで、
本当に良かったんだよ!!」
あたしももらい泣きだ。