シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「こっち見てよ」
見なくても判る。
バキッ!!!
背中越し…聞こえる音は。
煌の何処かの骨が逝った音。
「ねえ…このままだと、骨なしワンチャンになっちゃうよ~」
バキッ!!!
だけど判るんだ。
煌が声を上げないのは、
私に託しているからだと言うことに。
"俺が堪えられてる間に行け"
「2人を置いていけば、見逃して上げるんだよ?
折角ワンチャン戻って来たのに、死なせたいの?」
私は――。
「ふうん?
じゃ遠慮無く…」
「うがあ!!」
私は――!!!
煌の絞るような声に、思わず振り返った時、
ワンワン、ワンワンッッッ!!!
ワンワン、ワンワンッッッ!!!
けたたましい鳴き声がした。