シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

朱貴の口が…小さく動いた気がした。


"ゆ…う…き"


ゆうき?


そして朱貴が起き上がる。


「翠くんを…死なすわけには行きませんね…」


立ち上がると同時に…

上に被せていた煌の上着を身につけた。


「俺…」


煌が言った。



「無駄に背高くてよかった。

朱貴の…隠せて…」


ぼそりと。


場の空気を読め、本当にこいつは!!!


「何で全裸!!!?

朱貴、何で!!!?

え!!?

え!!!?」



やはり、案の定。


翠はキーキー騒がしく。



それを破ったのは――


「逃れられると思ってるんだ?」



笑みを浮かべた周涅。



そしてここから――



「この――

蛆虫共めが!!!!」



始まるのだ。


真の逃走劇が。



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