シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



ドガッ。


久遠に鳩尾を拳を入れられた。


「せりを守れないのなら、

オレに寄越せッッッ!!!」


犇(ひしめ)く屍を蹴散らして、

激昂の紅紫色の瞳が、刃物のように心に抉ってくる。


無理やりに芹霞を奪われて。

嫌だと俺は芹霞の腕を掴もうと両手を伸ばせば、

久遠がまた俺の腹を殴った。


「嫌嫌駄々を捏ねるな、ガキがッッ!!

"そんなこと"でぐらぐら揺らぐのなら、

お前は舞台から降りろッッッ!!

状況判断できずにせりを危険にさせるなら、お前という存在はただ疎ましく、邪魔なだけだッッ!! 去れッッッ!!!」


俺は――。


『レイくん…誰と戦っているの?』


突如、会話に割って入ったのは旭の声で。


即座に反応したのは久遠。



「紫堂玲、何をしてる!!!」



久遠が声が嗄れていた。



「お前誰を殴ってる!!!?



それは――




由香だぞ!!!?」




え?




「何で――


火をつけるんだ!!!?


早く消せッッッ!!!



由香が…


燃えるッッッ!!!



紫堂玲ッッッッ!!!」


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