シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「凛、しっかりしろ!!!
お前の手にはせりが…聞けッッッ!!
ちっ!! 旭、そっちはいいから、凜とせりを守れ!!!」
『了解(ラジャー)!!!』
――あたしは、神崎芹霞は!!!
「玲く…ッッ!!!」
俺は、芹霞の手を強く引いた。
行かせない。
行かせるものか。
「え? 凜ちゃん?」
俺は――
行くなと首を横に振り続ける。
ただの危惧ならいい。
このどくどく鳴り響く、嫌な鼓動は。
この…膨れあがる不安感は。
どくん、どくん…。
――あたしは、神崎芹霞は!!!
まさか、なあ…?
信じさせてくれよ、あれは勘違いじゃないと。
止めてくれよ、俺の不安。
――紫堂櫂を愛してる!!!
お前は"女"として俺を愛した。
お前は――
俺を選んだんだ。
12年かけた俺の恋は――
ようやく成就した。
そうだろう…?