シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



「ああ、どうしよう…お口がむずむずしてきちゃった」



「――…させぬ。

その口、叩き斬るまで」



その姿は…

煌に偃月刀を突きつけた芹霞さんの姿を彷彿させた。



「やだなあ、何怖い顔をしているのさ。"もしも"の話じゃないか。『気高き獅子』が生きていようが死んでいようが、この件に関しては皇城はノータッチ。そういう…ルールは破る気はないよ? 周涅ちゃんだって罰則(ペナルティ)食らいたくないもの」


くつくつ、くつくつ。



偃月刀の刃先が――


「よく喋る口だ。置かれている立場を判っていないと見える」


周涅の首の表皮を裂いた。



つつつ、と赤い線が現われた。



「ねえ紅皇。颯爽と登場した所悪いけどさ、立場判っていないのは…君の方だ。逃げ切れると思っているの?」



両手を挙げて降参のポーズを取りながら、その顔は嬲って遊ぶことを生き甲斐にしているような…根っからの加虐趣味(サディスト)の残忍な顔。


「君の出現を…見越していないとでも思ってた? 周涅ちゃんも、"あの人"も」


"あの人"?



「此処には、周涅ちゃんに敵わない雑魚が沢山。朱ちゃんだって力が戻って無くてまだふらふらだ。仮に紅皇が周涅ちゃんを抑えても…他の皆はどうなるかな」


伏兵が…いるというのか?



「だったらさ、紫茉ちゃんと朱ちゃん置いて此処から出た方が、得策だと思うけど?」


何処に…隠れていると言うんだ?



「私が…何故此の場に来ることが出来たのか、お前は判って居ないようだ」


緋狭様が笑うと同時…


じゃり。


後で音がして。



「毎度おおきに、周涅はん~」



そこに現われたのは、シルクハットに半纏姿の…情報屋聖だった。


< 1,194 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop