シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「櫂ッッッッ!!!!」
そんな時、俺の名前が呼ばれて。
闇を切り裂く橙色。
煌が居た。
煌が"約束の地(カナン)"に居た。
だから、何だ?
俺の心には…その橙色の鮮やかさも霞んでいて。
闇は橙色を黒く染め行く。
レイニカタンスルノカ?
心の中から込み上げるのは、どす黒い闇。
俺の闇。
闇。
闇。
闇が俺の心を支配する。
オマエマデウラギルノカ?
藻掻いても藻掻いても…
漆黒の闇が俺の心を覆う。
そして――。
俺の中に充満した闇が、
…囁くんだ。
レイヲハイジョセヨ。
「櫂、玲を助けてくれッッッ!!!」
レイナドイナクナレバイイ。
「お前しか、玲を助けられないんだッッ!!!」
――お前は…それでも想いを貫き、"裏切り者"だからと正当に制裁を加えるか?
ウラギリモノニハセイサイヲ。
そうだ…。
レイヲタスケルンジャナイ。
それがいい方法。
体が――
レイナド…イナクナレ。
動かなかった。