シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

そして唸り声やら叫び声やら…言葉には至らぬキーキー声が響き、紙に書き出す音がしていたけれど。


「出来たッッッ!!!!

俺、天才ッッッ!!!」



その声に、誰もが書いた紙を覗き込んでいたみたいで。



「せおをーきーたんえにんかじのんばんれのたけんよたいぞのをろぜるれわでんさしとんてちもをずかたでけかをじうすのぶんぜのわんでいたいけ」


翠の声に、場は静まり返った。


それ単独では意味を成さない、まるで何かの呪文のようだ。


また…暗号なのか?



「簡単だ。逆に読め」



久遠の声が、静寂を切り裂いた。


そして再び静けさが戻る。



カタカタカタ…。


………。


カタカタカタ…。


………。


カタカタカタ…。



「ねえ――」



カタカタカタ…。



「何で誰も何も言わないんだよ!!!

皆は字を目に出来るんだから、

是か否だけでも、教えてくれたって良いだろ!!!」


思わず僕は叫んだ。



皆酷いよ…。

皆まで、僕を1人にするなよ…。



カタカタカタ…。



「ああ玲、ごめんごめん。

文章にはなっていたんだ。


"けいたいでんわのぜんぶのすうじをかけでたかずをもちてんとしさんでわれるぜろをのぞいたよんけたのれんばんのじかんにえんたーきーをおせ"」


僕の中で脳内変換が即時実行される。


"携帯電話の全部の数字を掛け、出た数を持ち点とし、3で割れる0を除いた4桁の連番の時間にEnterキーを押せ"


つまり…

指定された数字の時間に、指定された点数にしろ…と?

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