シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
だけど。
儚げだけれど、潔い…
そこに久遠の何らかの意思を感じたあたしは、抵抗することに意味がないことを悟る。
あたしは、久遠の意思を変えることは出来ない。
だったら、信じるしかないじゃないか。
危惧することは何もないと。
「紫堂玲…せりを守れよ」
「……約束する」
玲くんに向けられた紅紫色の瞳は、またあたしに向いた。
「せり…笑っていろよ?」
大丈夫。
きっと大丈夫。
あたしが信じなくてどうするんだ!!
「……久遠。
あたし――
5日後に、また"約束の地(カナン)"に来るからね!!?
皆のこと、お願いね!!?
皆に、先に帰ってごめんって言ってね!!?」
「ヘリを出すぞ!!!」
苛立ったように怒鳴る久涅の声は、ヘリ付近から聞こえてきた。
タイム…リミットか。
「行きましょう…芹霞さん」
桜ちゃんの声。
「行こう、芹霞」
玲くんの声。
あたしは…
何度も何度も振り返り、久遠に手を振った。
どうか…
どうか…
皆無事で。
元気でまた会おうね。
そう…切に願いながら。