シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「こら、司狼(シロウ)、また寝るな!!! 元はといえば、君が久遠の罰則(ペナルティ)を実行せず、此処で涎垂らして眠りこけて、更には本棚倒しまくったから、紫堂と久遠が一緒に探して片付ける羽目になったんだぞ!!!?
…って、聞けッッ!!! また寝るなッッ、司狼!!!」
ぽかんと遠坂が頭を叩いたのは、蓮と同じ白色の…修道服を身に付けた少年。
蓮と同じ、何処までも陽斗の顔の造作をした…幼い少年。
俺の向い側で、ずっとテーブルに突っ伏して…まるで起きる気配がなかった司狼は、その横で、やはりすやすや眠る旭の…双子の片割れでもある。
本当にこの"約束の地(カナン)"は特殊な土地だから、見掛けと実年齢はかけ離れているが…精神年齢は見掛け通りだろう。
だから俺達も、彼らを見掛けだけの年齢で扱っている。
久遠も"たかが"俺より2歳上なだけだ。
大して差はない。
芹霞との出会いだってそうだ。
たかが"1年"早く出会っただけで、俺に対して此処まで偉ぶられる謂れは何もない。
「旭だって寝てるのに、どうして僕ばっかなんだよ」
「旭は君より働き者じゃないか!!! 紫堂の食事まで作って甲斐甲斐しく看病をしながら、仕事もこなして重労働だったんだぞ!!?」
得体の知れない"しちゅ~"を無理矢理口に突っ込まれ、口端から流れた"しちゅ~"を、血が出るほど擦り拭かれた記憶が蘇る。
看病…ね。
「だって~。みみずみたいにのたくってる文字見てたって、何か書いてるか判らないし。絶対人選間違ってるって。久遠様も酷いよな~。ちょっと遊んでいただけなのに~」