シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
当初予定では、遠坂は外部から知られない方法にて、早々に玲と連絡つけ情報交換する予定だった。
それが、原因不明のトラブルに合い…玲とは連絡つかぬ状況で。
俺の生存情報すら、玲の耳に入っていないはずで。
ようやく玲と繋がったと思えばゲームの中。
そして…回線を外すと同時に、玲との接触は消えて。
「紫堂。回線また繋げるか?
だけど――」
遠坂の真剣な声。
「ゲーム大会が終わってしまえば…師匠は何処にいるか判らない。ボクは…0と1の言語が少し判るくらいで、電脳世界を見たことはない。
だから…こちらから探し出すことは出来ないんだ。師匠がボク達に判る電脳舞台に出てくれないと…」
芹霞。
今、お前はどうしている?
まさか…玲みたいにおかしな事態に、巻き込まれてないだろうな。
桜はどうした?
煌とはまだ合流できていないのか?
――オレが…傍に居れたのなら…。
それは俺の台詞だ。
俺の役目なんだ。
芹霞……。
俺は布を巻かれた手首を、反対の手でぎゅっと握り締めた。