シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
『血に塗(まみ)れ、罪に穢れたお前の生きる世界は、制裁者(アリス)だけだ』
あの時の、BR001の言葉は真理。
俺の手は、血で染まりすぎている。
――願い求めよ。さすれば我は汝等に与えん。
俺は制裁者(アリス)として生きるしかねえんだ。
――お前は求めた。お前の……と引換えに。
心も――。
――BR002、……を貰い受ける。我が命に従え。
俺はどうしてもお前達の世界には戻れねえ。
――お前の役目は……を狩ること。
どんなに望んでも。
――……は……に蘇る。
今まで俺を愛してくれてありがとう。
――夢は……なのだ。
俺に、真実を隠し続けてくれてありがとう。
――……を……させない為に。
意識が薄れていく。
――全てはその為に、我らは在る。
先刻まで居た、あの意識に戻り行く。
――全ての……を刎ねろ。
薄れて…上書きされるのは真紅色。
澱んだ…見慣れた色。
――……を見て……を失った……を。
だけど、熾烈な…俺の守護色。
「煌ッッッッ!!!!」
緋狭姉が俺につけてくれた名前。
最後まで煌(きらめ)かなかった名前だけれど。
「人の話聞かずにぐだぐだぐだぐだ…
あんたあたしに殺されたいのッッッ!!!!」
何だか…怒られているみてえだ。
「何処までも何処までも逃げやがって…
この、馬鹿犬めがッッッ!!!」
怒りまくった緋狭姉に。
ははは。
幻覚に…身体が震えるなんて。
俺も相当…心が重傷だ。