シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
怒り狂った緋狭姉は、昔からそりゃあ怖かった。
子供だろうが何だろうが――
殺気に準じた…容赦ない攻撃。
戦慄。
震駭。
あの恐怖は、心身に深く刻み込まれている。
「あたしを無視(シカト)すんのかッッッ!!!」
………。
………。
………。
何だろ、この…リアルな寒気。
「随分と…ナメられたもんだね、あたしも」
ひ、緋狭姉!!?
其処には、怒りに身を震わす緋狭姉が立っていて。
「余程…死にたいらしいね」
否――。
本気(マジ)キレした芹霞で。
え、違う? 緋狭姉か!!?
もう俺の頭はパニックだ。
どんなに目をこすっても、緋狭姉のように思えてくるんだ。
…怒りのオーラが瓜2つで。
だったら本当の緋狭姉なのか!!?
「此処まで完璧無視されて現実逃避されるなんて…もうッッ!!! 堪忍袋の緒が切れたッッッ!!! あたしを止めるなッッ!!! 玲くん、桜ちゃんッッッ!!! 」
緋狭姉。
緋狭姉。
頼むから、落ち着いてくれ。
いやいや、落ち着くのは俺の方か!!?