シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
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「まるで全然…記憶にねえよ」



桜が目撃した、記憶のない俺のしでかしたこと。



「お前達に刃向けた上…

よりによって…無差別か…」



俺は頭を抱えた。


ああ。


戻った今度こそは皆の役に立とうって…心に決めた途端、襲いかかる現実。



俺にこびりついた…この尋常ならざぬ血の臭い。


何かをしでかしたは思っていたけれど。


かなり…こたえる。


心の奥底に…響く。



「桜が言うには…お前は無差別ではなく、"選別"してたらしい」


「玲…対して差はねえよ」


罪っていうのは…知らぬ間に積み重なるものなのか。


気づいた時にはもう…手遅れなんだろうか。


やっぱ救いってないんだろうか。


何やってるんだよ、俺。


「人殺しの罪は…何処までも濃く、ついて回るもんなんだな」


項垂れた頭を上げることが出来ずぼやいた俺に、玲が言った。


「罪…。どうかな?」


玲の両腕には――


ついしがた、背中から奪われたばかりの芹霞が居る。


すやすや、すやすや…。



そして――


「……ん…」


身動ぎして玲の身体に抱きついている。

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