シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
終わってしまうの?
玲くんいなくなっちゃうの?
それは寂寥感と言うより怯えで。
「玲くん…あたしを置いていかないでよ…」
あたしは、シフトレバーの上から手を引っこ抜き、玲くんの腕に両手で縋る。
「芹霞…?」
「玲くんは…一緒に居てくれないの?」
ぼんやりと…頭に何かが映る。
大切な何かが…。
「玲くんも…あたしを残していっちゃうの?」
ぼんやりと脳裏に浮かぶ――
風に靡く…赤い布。
「好きだなんだといっておいて、勝手にいなくなっちゃうの?」
――あたしは、
「永遠なんじゃなかったの!!!?」
――神崎芹霞は、
「永遠の愛を頂戴よッッッ!!!!」
「芹霞ッッ!!!」
玲くんの怒声と急ブレーキに、あたしははっと我に返った。