シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 

消しても消しても押し寄せる制裁者(アリス)。

溶かしても溶かしても襲い掛かる鉄環手。


僕の中から、雪崩のように力が外に押し出されていく。


力と、僕の意識と…。


白い白い景色が…薄れていく。


意識を失って溜まるか!!!


僕は気を奮い立たせた。


一斉に制裁者(アリス)が万年筆を構え、青い光を発する。


まだ何百と残る集団から、僕だけに絞って向けられるの青い光に――僕の力が押し戻された気がした。


同種の力は、強さが勝負。


幾ら僕が力を振り絞れど、数には勝てないというのか!!?


そんなこと…認めない。


「『白き稲妻』…。電磁パルスは…"金"を媒介に、核並みの威力を発することご存知ですか?」


不意に聞こえた雅の声。


「凱は肉体を増強させ…

私は"武器"を増強させましたの。


私のメインは――

鉄環手、なんですのよ?」


雅が懐から出した何かの小さなスイッチを取り出した。

それを押した途端、僕の頭に…あの"共鳴音"が響いて。


「貴方の中から取り出した、

特殊な周波数ですわ…」


僕の周波数?


「電気の力って素晴らしいですわ!!!

今なら、それを操る貴方に…感服する心地です」



そして空に舞った複数の鉄環手が――



「初お披露目ですわ。

――"金環手"」


突如金色に輝いたんだ。


何だ!!!?
< 767 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop