シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
俺は桜華の"エディター"の使い魔を思い出した。
使い魔が蛆を運ぶというのなら。
いつからあの報道陣達は、
使い魔になっていたというんだ?
本物は何処だ!!?
「皆様、何て素晴らし…ぃ…。
音…鳴っ……ぁっ…」
もう…呂律が回らなくなった若林アナは…
足から駆け上る白く蠢くものに覆われて。
ぽっきりと…朽ちた小枝のように、
上半身をぽたりと地面に落とした。
下半身も、続けて崩れ落ちる
そのあまりの惨状に、俺は力の発動を決意する。
例え久涅や他の奴らにばれても。
それでも、1人でも救うことが出来るのなら。
幻覚か真実かなど問題ではなく。
俺が助けられるかどうかの問題だった。
「お前は手出しをするなッッ!!!」
そう叫んだのは久遠。
「此処はオレの土地。
オレが直接浄化する!!!」
俺は――
桜華を思い出した。
この蛆は俺の力では分裂を促すだけ。
増殖させるだけだった。
唯一…
唯一煌だけが…
だけど此処には煌はいない!!!
例え…久遠であろうとも…。