シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
「旭、司狼ッッ!!!」
久遠の声と同時に、2人は被り物を脱ぎ捨てた。
「久遠さまッッ!!!」
旭の手から…
弧を描いて久遠に渡ったそれは…。
大鎌。
まるで死神のような…
大きく湾曲した鋭利な刃。
かつての久遠の持ち物。
縁遠くなった今、それを見るのは久しぶりで。
ああ、旭と司狼は…
それをずっと隠し持っていたというのか?
何かを予感していたというのか。
久遠はそれを片手で受け取ると、軽く回転させて、
一閃。
鋭利な刃は、軽く振っただけで…
蛆を吐き出す男達の首を刎ねた。
ぽーん。
ぽーん。
そんな軽いタッチの擬音を想起させ、
次々と…久遠は首を刎ねていく。
まるで…
かつての"贖罪"のように。
それは見惚れてしまうほど、
優雅で慣れた手つきだった。