シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
「元からそのつもりだったんだろう。

――1時間だけだ」


何だか判らないけど…

朱貴はホスト復活らしい。


「おおきに。

ではお教えしましょ。


紫茉はんは…周涅はんと共に…あの建物にいま」


だけど指指した場所は真っ暗で。


「まさか…黄幡会とは言わないな!!?」


桜が聞けば。



「そこではありまへん。


あそこの馬鹿デカいビルや。


上岐物産本社」



桜が目を細めた。



「何で…そんな処に…」



「ではいきましょか、朱やん」


「……」


朱貴は苦悶の眼差しを、聖が指指した方角に向けていて。


行きたいんだろうな。

七瀬の場所は、ここから直ぐだものな。


聖が正しいことを言っていたら…の話。


七瀬兄妹が何で上岐物産に居るのかなんて、因果関係がさっぱり判らねえ。



「朱やん。ウチも悪ではありまへんで? 

同じ過去を持つ同志やさかいなあ。

朱やんには滅法甘甘ですわ」


同志…?


「朱やんの1時間が、

紫茉はんに関係あると言ったら?」


途端、朱貴がびくんと身体を震わせた。


何かに思い至ったというように。



聖は笑った。



「だから朱やんが必要なんですわ。


"生け贄"に――」



それは…ぞっとする笑いだった。
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