シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


そして聖は、俺と桜を交互に見た。



「この聖を信用するもしないも、皆はんの勝手。

しかしこれだけは言わせて貰いま。


この先――

もしも紫茉はんを助けるつもりであれば、


お二人にとって大切な"誰か"が、

確実に窮地に追い込まれますわ。


朱やんが"生け贄"の間――

動けるのはお二人と翠はんだけ。


ウチには悪夢に移転する力はあれど、

誰かを救い出せるような"攻撃力"などありまへん。


お二人が"誰か"の窮地を恐れて、此処で引くのも自由。

お二人は紫堂、紫茉はんは皇城。


元より首を突っ込む義理はありまへんし、紫堂は紫堂で抱える問題はたぁんとあるはずですしなあ?」


かなり意味ありげな眼差しを向けられた。


多分こいつは、色々知っているのだろう。


玲の結婚話は無論――

紫堂のここ数日のお家騒動を含め、櫂の生存情報すら…もしかすると。



「此処で引くというのなら。

代わりに紫堂にとって…

いやお二人にとって有益な情報を上げても構いまへん」


それは…

まるで悪魔のような誘惑。


「無論…無料でっせ。

無料情報は…これ1回ぽっきりや」


謎ばかりの今の状況を、


「かなり核心情報…や。

どないします?」


打開できるだけの何かの情報をやると言われている。


更には…



「大切な"誰か"も…

安泰でっせ?」



なんて、魅力的な申し出。



「はああああ!!?」



声を上げたのは小猿で。

そして涙目で俺達を見た。



「ワンコ~、葉山。

俺だけでは…紫茉助けるのは無理だ。


手伝ってくれよ。


なあ…。

紫茉、お前達を助けようと頑張ってたろう!!?」



不安に揺れる藍鉄の瞳。



「紫堂も大変かもしれないけど!!!

紫茉はもっと大変なんだよ!!!


何だか判らないけど、

俺…嫌な胸騒ぎがするんだよ!!!」




こいつは――

七瀬を助けたくて必死なんだ。


< 830 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop