シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

「――…。凜」


久遠は何かを俺に投げた。


それを宙で受け取った俺は、手を開く。


血染め石(ブラッドストーン)だった。


「守護石は――

生者1人しか持てない。


俺も須臾もその力を多少なりとも使えたのは…

生きていなかったからだ。


血染め石はお前を選んでいる。


緋狭を通して、お前の体内に戻っていたくらいだ。


ならば…

お前だって出来るはずだ」


俺は目を細めた。


「力の放出はお前の首を絞めるだけだ。


だから――

武器に顕現しろ」



武器?


煌や桜のように?


「あいつらが出来るのなら、

お前に出来ないはずはない。

オレが導いてやる」


もしや…この鎌は…?


「金緑石(アレクサンドライト)の顕現だ。

まあ…せりの石か」


自嘲気に笑う。


「だからそれは、俺に返せ」


つまりは――

玲の石を勝手な言い分で横取りをして。


きっとそれは久遠の独占欲。

石を愛でながら…芹霞を愛でている。


現実では報われぬ想いを――

石に注いでいるのだろう。


腹立たしいことなれど…

身を引くことで愛を示す久遠の心を、

俺はどうしても邪険に出来なかった。


モノに愛を表現しているのは、独占欲を示しているのは…俺だって同じこと。

手首の布を俺は取り外すことは出来ない。


俺も久遠も――

同じ女を愛している。


ならばきっと俺は――

久遠の心の理解者であるのだろう。


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