シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
まるで好意的には思えない相手だけれど、
それでもこんな状況でも俺のことを案じてくれているというのなら、そのことに対してのみ俺は、素直に久遠の言うことを聞き、久遠の密やかな想いを汲み取ろうと思う。
こんな状況でも、決して俺の本名を呼ばない久遠に、俺を追い詰めることをしようとしない久遠に…少しだけ感謝の念を見せてやろう。
俺は、鎌を久遠に差し出した。
久遠はあっさりと返還した俺に、少し面食らっていた。
多分…大鎌の正体が芹霞に繋がるものならば、俺が渋ると思っていたんだろう。
だったらばらさなきゃいいのに…大概久遠も、詰めの甘い男だ。
俺は目を瞑って…血染め石を握りしめた。
これは俺の石だ。
"模倣"。
久涅の言葉が蘇る。
違う。
血染め石は、紛れなく俺のモノだ。
顕現…。
出来るだろうか。
理屈は判る。
煌や桜の師匠は、俺が師事した紅皇だ。
「守護石と意志を通わせろ」
ただの無機質の物体だと思うな。
ただの媒介だと思うな。
これは俺の一部。
俺の…心臓となり、俺の仮初の命としてくれたもの。
そして――
――死んじゃやだああああ!!!
芹霞の命を守り続けくれたもの。
これは俺であり、俺はこの石の一部であり。
延々とそれは続いていく。
螺旋状に、円環状に――
それは切っても切れない絆となる。