シンデレラに玻璃の星冠をⅡ
 
陥没した地面。


その内部に――

蛆と蚕の残滓が滑り落ちるように、消えて行く。


あまりに大規模の爆発。


それを引きおこしたのは――

久遠というより…



「スクリーンに何か居たな。


何だ…あれは…」



そう呟いて、久遠は目を細めた。


俺は呼吸を整えながら、前髪を手で掻き上げた。



そんな俺に、続けて何かを言おうとしていた久遠は――


「…おい。その手、見せろ!!!」


突然、俺の右手を乱暴に取った。



「なんだこの手!!! 


この手の甲はどうした!!!?」



驚いたような声を発するが…


久遠が言う部分は…

以前久遠が思い切り足で踏み潰した場所。


実はまだじんじんしている。

赤く腫れているのに、ようやく気づいたか。



「ただの"怪我"ならどうでもいいんだよ。

違うだろ、これは!!!」


なんて失礼な奴だ。



「よく見てみろ!!!」



俺は詰るような眼差し向けた後、

久遠に促されるまま自らの手を凝視した。



――え?



何だ…これ?




鬱血ではない。


偶然の形?



なんだ…これは。



どうして――


血色の薔薇の形になっている!!?

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