シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「お前は…

黄色い蝶を見ていないんだよな!!?」



頷く。


見ていないのではなく、見れないんだ。


第一、痣が出来るのは――

黄色い蝶を目撃した"女"なんだろう?


俺は、女装しているとはいえ…男。


俺は、黄色い蝶は見えないんだ。


可視出来る男は、玲と朱貴だけで。


俺は一度も見たことが…。



いや、一度だけある。



横須賀港。



蛆と共に襲いかかってきたのは、黄色い蝶だった。


どうして俺は、あれが見えた?


どうしてその疑問に、今まで気づかなかった?


まさかあれを見たから…痣が出来たとでも?


では何故このタイミングで?


違う…。


何か違う気がする。


では――

一体、何だこの痣…。



バリバリバリ…



その時、またヘリの音がした。



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