俺様専務とあたしの関係


一体、何なの…?


すると、蒼衣さんが話しを始めた。


「私と今度結婚をする彼、秀二(しゅうじ)は、実は幼なじみだったの」


「幼なじみだったんですか!?」


「ええ。だから、章人の事も間接的には知っていたの。秀二のライバル会社の息子というね…」


世界って、広いんだか狭いんだか分からない。


「秀二は私をずっと好きだったけれど、私は違っていた。ただ、大事な友人の一人に過ぎなくて」


「そうなんですか…」


まあ、恋愛って理屈じゃ割り切れない部分もあるものね。


それは、仕方ない事だ。


「偶然にも章人と知り合った時、最初は秀二のライバル会社の息子だから、かなり警戒はしていたのよ」


「でも、恋をした…?」


あたしの問いかけに、蒼衣さんは頷いた。


「知れば知るほど章人に惹かれていって…。告白をされて付き合った」


「それなのに、どうして浮気なんか…」


あたしの不躾な質問に、蒼衣さんの表情は曇る。


だけど、どうしても聞きたかった。


だって、章人はあんなに好きだったのに…。


やっぱり浮気は許せない。


だけど返ってきた答えに、あたしは愕然とした。


「浮気なんてしていないわ。私だって、章人と結婚したかったんだから。だけど、秀二に無理矢理、犯されたのよ」




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