俺様専務とあたしの関係


あたしから特別、情報が得られなかったのか、同期たちは早々と自分のデスクへ戻っていく。


そしてその間際、独り言の様に呟いた同期の言葉に、あたしはより一層イライラが募った。


「やっぱり、真面目に仕事をしておけば良かった」


って、何考えてんのよ!


あたしは、秘書になりたくて真面目に頑張っていたわけじゃないわよ。


ただ、認められたくて、自分の存在価値を見出だしたくて仕事をしているだけなのに…。


あ~、朝から気分が悪い。


パソコンを開き、業務連絡のチェックをしようとした瞬間、イントラネットのトップ画面に“専務”の顔が現れた。


それは、4月から新しく就任する専務の、社内をあげての全面アピールだった。


「どっかのアイドルか!」


仕方なく“経歴”ボタンをクリックする。


こんなもの見たくもないけれど、秘書になるんじゃ仕方ない。


どんなにイヤな仕事でも、真面目に取り組まなくちゃ…。




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