俺様専務とあたしの関係
「お互いを知る…?」
「ああ。前にも言ったけど、オレは美月をもっと知りたい。そして美月にも、オレを知って欲しいんだ」
専務を知る…。
それは、少し前からあたしも思い始めていた事…。
知りたいって。
「でも、どうして?」
「ん?」
「どうして、あたしなんですか?専務なら、いくらでも周りに素敵な女性がいそうなのに…」
あたしに、これほど執着する理由は何?
それがどうしても分からなくて、専務を見つめた。
教えてよ…。
すると、小さく微笑むと、あたしを優しく抱きしめてきた。
「オレと同じ感じがするから」
「え?」
同じ感じ?
何もかも、まるっきり違うと思うんだけど…。
「まるで、自分を見ているみたいで、美月が気になって仕方ない」
そして、専務はあたしにキスをした。
絡み合う唇と、その専務の言葉に、あたしの中で何かが崩れたのだった。
「章人…。あたし、このままじゃ、あなたに恋をする…」
だから、やめて。
もう、やめてよ。
あなたの心の奥にいる女性を、あたしはきっと心から嫉妬するから。
忘れられない面影を、重ねないで…。
本当のあたしを見て…。
距離を縮めたいなら、章人から本当の事を話してよ…。
吸い付く様なキスの後、真剣な眼差しで章人は言った。
「恋をしよう。オレたち、恋が出来る様にお互いを知ろう…」