センチメンタルブルー
「もしもし、山田です。山田さとみです。
そんなに御用という御用はないんだけど…メッセージを残します。
昨日はありがとう、夜空くん。
私ね、なぜだかもう夜空くんに会いたくなってしまっているらしい。
夜空くんのことばかり考えていて、ふと声が聞きたくなったので電話をかけました。

今日ね、花屋の店主の哲夫さんが風鈴を買ってきたんだよ。
風があんまり吹かなかったんだけど、少しだけチリーンって鳴ってなんだか嬉しかった。

それじゃあね」

電話を切ってから露骨に思いをぶつけすぎたことを悔いた。
あれでは告白のようにとらえてしまわないだろうか?不安になってくる。

だけど、一度入れたメッセージを削除する方法を知らない。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。

ええい、自然と出てしまった言葉なのだ。
自分が自然と思った気持ちがところてんのように口から押し出されただけさ。
悔いるのはやめよう。
それで夜空くんが私に不快感を感じたのならそれまでなわけだし、二度と会うこともないだろう。
考えると悲しくなるけど、私もきっとこの暑さのせいで頭も渇いておかしな夢を見ていたのだ。秋には彼のことなどコロッと忘れてしまうだろう。

だから、大丈夫。
横目をちらり、そこにはサボテンがいてなんだか私を励ましてるような、哀れんでいるような気がした。

「暑いよね、扇風機でもまわしますか」

扇風機を強にし、これから昼食を食べよう。
そこから少し休んで、久しぶりにゲームでもしよう。
放置したままのRPGを少し進めないと。
< 24 / 24 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop