偽恋
「さっ早く!美姫の名前が呼ばれたんだから行くわよっ!!」



「でっでも!私...この格好...!!!」


「いいからっ!!!」



「えぇ~!!」




切れ長の大きな目が印象的な中学からの親友、安藤奈々は


私の腕を引っ張り無理やり立たせると走り出した。





どっどうしよう!!


頭の中が真っ白!


私が....ラブプリンセスに?



いやいやいやっ!今はそういうことじゃなくて!



この格好!!



そう、私がこうも焦っている理由は


まさかのラブプリンセスになってしまったからではなく...


私の服装にあった。


だって....まさかのメイド服なんだも~ん!!!!!



「奈々ってば!むりむり~こんな格好!」


「いいからっ!可愛いよ美姫★」


「はいっ?」


そっそういうこと聞いてるんじゃなくて...


奈々はウィンクして笑うと、急いで階段を駆け下り


一気にラブコンのステージに私を連れて行った。
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