偽恋
「この子がっ美姫!...上野美姫です!!」



そして司会者のいるステージに私を放り投げると



奈々は観客席に座り ニコリと悪の笑みを見せた。



「もう~奈々っ!」


なんてここではいえず...ざわつく観客を目の前に



ステージ場で私は完全に固まっていた。






あぁ...恥ずかしい。



なんでメイド服で来ちゃったかな...私。



私のクラスがメイドカフェっていうのは仕方ないんだけど



....はぁ。




「それでは!今年のプリンセスは1年1組上野美姫さんです!!!」


司会者が突然マイクにそう話すと



会場は拍手で包まれた。



っ...なんの拍手よっ!!


お祝い?...さぞかしならなくてよかったって安心してるんでしょーね。



私は気づかれないようにそっぽを向き


頬を膨らました。


するとそのとき-


「「「きゃああああ!!!!!!」」」

観客席から信じられない声援が聞こえて


はっと顔をあげた私の前に立っていたのは....



無造作に動かした黒髪に 前髪の隙間からのぞく大きくパッチリした目。


そこか生えたまつげは 女の私より多く、長い。


鼻は高く、薄い唇は少し赤い。


ネクタイをゆるくさげ、かっこよく着こなされた制服姿が様になる


その高い身長は180はあるように見えた。



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