白緑蝶"vacances【続2】
「彼女の父は、あらゆる権力の
 持ち主です

 恥をかかせるような行為だけ
 はなさらない方がいい

 アナタも、奥様として気品な
 態度でご出席くださいませ」

その言葉に驚く、私。

「私も、妻として・・・」

ソラの妻は、この世に私だけ。

「もちろん、タマラも出席しま
 す、まだ僕の妻として・・

 彼女に言いたいことが
 あるのでしたら言うべき
 です、以前の私のように

 さあ、どうぞ?」

香月さんの手によって開けら
れた高級車の助手席のドア。

「はい」

私は、その席に座った。

「ドア、閉めます」

「はい」

閉まるドア・・・

車は、走り出す。
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