白緑蝶"vacances【続2】
「カツキさん
 さっきの英語?」

「ああ、何回も聞いてれば
 自然とね

 さあ、試着しておいで」

こんな普通の冴えない私でさえ
香月さんの存在のおかげで
セレブな扱いを受ける。
 
身ぐるみを全て剥がされて
あれでもない、これでもないと
洋服を着せかえられ、最新
ファッションに肌で触れる。

洋服を着ては、香月さんに
その都度、チェックしてもらう

「この生地、肌触り最高

 カツキさん、ひとつ
 聞いてもいいですか?」

「何?」

「お家でパーティーなのに
 どうしてドレスやタキシード
 なんて着るんですか?」

いつの間にか黒いタキシードに
着替えていた香月さんは時計を
見つめながら私の質問に答えて
くれる。
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