白緑蝶"vacances【続2】
テオさんが男女関係なく愛せる
事を知っている真澄は、少しだ
け困惑している。

「マスミ、そんなに困った顔
 しなくても大丈夫
 
 僕は、君には手を出さない
 
 だって、君は僕のタイプじゃ
 ないから安心して

 なーんにもしやしないよ」

「何か知らねえけど
 そうはっきり言われると
 寂しく感じるのは、なぜだ
 ・・・」

真澄の言葉と同じように
私も以前感じたことがあった。

『愛さない』

そう言われて泣いちゃった事
がある。

「でしょう?
 
 そうなんだよね

 私も以前、今のマスミと
 同じような気持ちになった
 事あるもん」

その言葉にテオさんはニヤリ
と微笑んで言う。

「だったら
 愛しましょうか?」

「いえ、遠慮しときます」

あの強気の真澄がテオさんに
ひるむ姿に、ソラは笑い出す。

「ソラ、笑うなよ」
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