白緑蝶"vacances【続2】
私が口を閉じると微かに聞こえ
る笑い声に、騒ぐ声。

「水の音?」

「あっちじゃねえ?」

「あっ、プール」

別荘の奥には、大きなプールが
あって、辺りに生える椰子の木
がエキゾチックな雰囲気満点。

思ったとおり、みんなはそこに
集まり、ワイワイと賑やかに
楽しく過ごしている。

子供達と百枝は、プールに
プカプカと浮いている。

その姿を、プールサイドに腰を
下ろし見つめている真澄。

「ひわ」

百枝が、一番最初に私とソラの
存在に気づき手を大きく振って
くれた。

「あっ、ママだ、パパぁ」

ゆらが手を振る。

「ゆら~」

今度は私がプールサイドのギリ
ギリに立って、二人に大きく手
を振り返した。

「おう、お二人さん

 おかえり」

「ただいま
 
 マスミ、昨夜はごめんね
 ゆらのこと、ありがとう」

「すまなかったな」
< 208 / 471 >

この作品をシェア

pagetop