白緑蝶"vacances【続2】
「彼の話、聞いてあげたい

 話して?」

ヤマトに語りかけるように
優しく、彼に問いかける百枝。

「聞く必要ない、行こう」

真澄と歩むことを拒み、その場
に踏ん張る百枝の足。

「そう?
 
 じゃあ、聞いてやれば
 俺は行く」

真澄は百枝の肩を抱く手を解き
その場を立ち去る。

「ちょっと、待って・・・
 ごめんなさい」

真澄の後を追う百枝に届く声。

「あした
 ここで、まってる
 
 きてください」

その声は、真澄にまで聞こえた

スタスタと先を歩く真澄の腕を
掴む百枝。

「マスミさん、待って」

真澄はその手を振り解く。

「おまえは、何がしたい?」

おまえ・・・冷たい呼び方。
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