白緑蝶"vacances【続2】
百枝の腕を強く掴んで
物言いたげな瞳で百枝を
見つめる男性。

「マスミさん、待って
 話を聞いてあげなくちゃ」

「どうして?
 
 どうせ
 ただのナンパだろう?」

「彼、何て言ったの?
 
 マスミさん?」

「私は、あなたを・・・
 (忘れることできない)」

「わすれる、できない」

その言葉に彼を見つめる百枝
の胸はドキドキと高鳴る。

「そんなこと、誰にでも
 言ってるんだろう?」

「いわない
 あなたにしか・・・

 あなたはにてる
 ぼくのママに・・・」

「ママ?
 
 モモちゃん、行こう」

悲しい瞳で百枝を見つめる
男性の話を百枝は聞いて
あげたい気持ちになる。

ママ・・・

母性本能が燻られる。
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