白緑蝶"vacances【続2】
「なにか、たべましょ」

青年の言葉に首を左右に振る
百枝の姿が見てとれた真澄は
百枝の手を取った。

「話は終わったのか?」

「びっくりしたぁ

 マスミさん、来てくれたの

 どうして?」

真澄は、握り締める手に力を
込める。

「昨日は、ごめん

 俺が悪かった

 君に謝りたくて・・・」

素直に謝る真澄に、百枝は
問いかける。

「・・・それだけ?」

見つめ合う二人を、見つめる
青年の強い眼差しを感じた真澄

「今は、言えない」

愛を告白することを照れて
躊躇う真澄に、百枝は言う。

「今、言ってよ」

「二人っきりになったら
 言ってやる」

「待てない
 
 今、ここでなきゃ・・・」

真澄は百枝の耳元でこっそり
と囁いた。

「モモちゃん・・・

 すきだ」
< 282 / 471 >

この作品をシェア

pagetop