白緑蝶"vacances【続2】
その真剣な横顔、瞳は恋する瞳
ではなく、優しい母親のように
彼の事を気にかけ、思いやる。

二人が話してる内容を聞くのは
フェアーじゃないので、距離を
取り、話し声が聞こえない場所
で真澄は白い砂浜に座り込む。

「もう少し
 待っててやるか」

そして、真澄は砂浜に寝転び
空を見つめて時間を潰すこと
にした。

雲ひとつ無い、空。

「ファ~、ねむい」

30分程、時が流れ・・・

「うわっ」

うたた寝してしまった真澄が
飛び起きると、そこにはもう
百枝の姿がない。

「あっ」

そう、ずっと遠くに移動して
いる二人の姿が見えた。

真澄は慌てて起き上がり二人に
駆け寄る。

真澄が二人に近づき、今度こそ
声をかけようとしたその時

百枝の足が、歩む事をやめた。
< 281 / 471 >

この作品をシェア

pagetop