白緑蝶"vacances【続2】
「ううん、おねえちゃん
 なら奥だよ」

私は、奥の部屋を指差した。

「赤ちゃん、いるの?

 抱かせてもらおうっと」

「どうぞどうぞ」

百枝の声を聞いて奥の部屋
から顔を出す、姉のすず。

「モモちゃん

 いいところに来てくれた

 今の時間
 子守してくれると
 ありがたいんだけど」

「任せてくださいよ
 
 お安い御用ですから」

そう、百枝は仕事が休みの日は
こうしてここへ来て赤ちゃんの
お守りをしてくれる。

「保育園、まだ空きがなくて
 何の連絡もなくて困ってる
 のよ

 モモちゃんには、本当
 助けてもらって・・・」

「おねえちゃん
 気にしないでくださいよ
 
 赤ちゃん抱けるの
 楽しみにしてるんですから

 何なら
 仕事が終わるまでイズミ君
 預かりましょうか?」

「本当、助かるわ

 あっ、でも、やっぱり
 甘えちゃダメよねぇ

 カッちゃんに怒られちゃう」
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