白緑蝶"vacances【続2】
「おねえちゃん?」

ソラの頬に両手を翳す、姉。

「ほんと、実物はもっと
 端正なお顔だこと

 有名人なのよね?」

「はい、まあ、そこそこ」

ソラに抱きつくお姉ちゃん。

「おねえちゃん」

「有名人っていい匂い」

「ソラから離れてよ」

店内に笑い合う声が響く・・・

クリスマスシーズンを迎える前
に、花屋は閉店した。

私も、お姉ちゃんも専業主婦に
なった。
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