白緑蝶"vacances【続2】
テレビのニュースでは大舞台に
立ったことは快挙だとロック界
の異端児ソレイロリアを讚える
声が飛び交う。

音楽祭のワンシーン、フェイに
抱きつかれて頬にキスをされる
ソラの姿が画面に映って、今度
の相手は大物ミュージシャンな
のかと、私はため息をついた。

そんな私の心など、露しれず
ソラが私の元に舞い戻ってきた

ワンワンワン・・・

「ソラ

 おかえりなさい」

「パパ、おかえり」

「ただ・・・

 何で、彼がいるの?」

「どうも、ソラさん

 お邪魔しています」

「・・・・・・」

ソラの顔が見る見るうちに
仏頂面に変わる。

「ほらっ、ソラもカツキさん
 に挨拶するぅ」

「ああ、どうも」

「今夜、お帰りになるとヒワ
 さんからお話を聞いて
 ご迷惑とは思いましたが
 伺ってしまいました」

「あっ、そう・・・」

「もう、ソラったら
 愛想なさ過ぎ」

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