白緑蝶"vacances【続2】
「ああ、うん

 聞いたよっていうか
 見えたの」

「見えたって、あれが?」

「うん、バッチリ

 先生も男の子だって」

「そっか、男・・・」

ソラはまた、床に膝をついた。

「おまえ、男か

 男なのか」

お腹に耳を当てて、何やら
頷いてみせるソラ。

「そうか、そうか
 
 ツーリングするよな?」
 
ソラは、嬉しそうに笑みを
浮かべてお腹にキスをした。

「ソラ、ダメだよ

 バイクは、絶対ダメ」

「そう言うなって

 なあ、ひわちゃん?」

膝をついた姿勢で私のこと
見上げてる甘い視線。

「もう・・・
 
 この子が乗りたいって
 言ったら許すけど、パパが
 強要するのはダメだからね」

「よっしゃ

 トワ、おまえ
 わかってるよな?」

お腹にそう呼びかける、ソラ。

「ねえ、トワって?」

「こいつの名前」
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