不良の有岡について。
カラアゲベントウ。






家の方へ戻ると、さっきあの人が居た所に有岡の姿が見えた。

「あ。」

「お前、どこ行ってたんだよ?」

目がつり上がる有岡を前に、私は手を前にして宥めようとする。有岡と掴み合いの喧嘩をして勝てる自信は全く無い。


「家に弟置いて、俺が駅のスーパーまで行ってもいねーし。」

「…ごめんなさい。」

「心配してたんだからな。」


素直に、ちょっと泣きそうになって捨て身で有岡に抱きついた。

白状する。
私を好きな有岡なら、私を今拒んだりしないだろうと思ったうえでの行動。



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