不良の有岡について。

廿楽なりに気を遣っているのかも、


「ちょっと、あたしの話聞いてる!?」


…怒ってただけみたい。

バシバシとテーブルの上を叩くと、茶碗やらお皿が飛び跳ねる。私と怒田は慌てて自分の食べ物を守った。


「聞いてる、聞いてるから落ち着け。」

「しかも、海なんていつでも行けるじゃん。何この世の終わりみたいな顔してんの!」

「…廿楽、もしかしてまた彼氏が浮気した?」


私は聞く。キウイメロンパンを守りながら。

ピタリと時間も一緒に止まったかのように廿楽の動きが止まった。

…図星らしい。



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