陽だまりの君
ガサッ!!
制服がこすれる音がする。私は驚いて体を引っ込めた


あっ!
体を引っ込めた私はあっけなくバレた。今のあっ!はバレた事に対してじゃない


窓の冊子に制服のブレザーのボタンが引っかかって飛んでいってしまったことに対してだ。


バッチリと男の子と目が合う。男の子は私の転がったボタンを拾って眠そうにあくびをする


「何してんの?」

だんだんと近づいてくる男の子にあたふたする
あなたを見にきてました


何て言えないから苦し紛れに


「日向ぼっこ」

といった。
私は顔が赤くなっていく。
君が目を細めて気持ちいいよねと笑うから……


「ボタン気をつけて」


私にボタンを渡して小さなあくびをしながら校舎の入り口の方に歩いていった


うるさいくらいに心臓がなっている。


やっぱり好きなんだなーと自覚した。まぁ好きじゃないとこんな所に足を運ばないと思うけど

小さな変化だけど私は言葉を交わすことができた

キュッと手のひらのボタンを握る。
< 2 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop